「どうも西野は最近、よくアジアに行っているなぁ」と感じられている方がいるかもしれません。それもそのはず。

3月にはマレーシアに1週間とシンガポールに1週間、7月にはシンガポールに1週間、そして10月にもシンガポールに1週間というように、私はこの8カ月間のうち約4週間ほど、日本を留守にしてアジアにいました。

なぜこんなにアジアに行っているのかというと、3月については今後のビジネスの足掛かりを探りに行き、7月と10月については、シンガポールに駐在にしている日本人ビジネスパーソン向けに開催されたセミナーで講師を務めたからです。

海外を舞台に働く日本人ビジネスパーソンが増えてきているのに呼応して、私たち研修講師の仕事の場も、日本国内だけではなく、海外に広がりつつあるわけです。

シンガポールで開催されたセミナーで、私が担当したテーマは、「ノンネイティブがグローバルで成功するプレゼンテーション」というものでした。

海外で働いている日本人は、英語でプレゼンをする機会が当然たくさんあります。

けれども日本人の中には、英語にもプレゼンにも苦手意識を抱いている人が少なくありません。そうした中で、日本語が通じない外国人を相手にプレゼンをするというのは、大変なプレッシャーだと思います。

そこで私は、ノンネイティブだからこその英語プレゼンのコツをみなさんにお話ししたわけです。

世界を舞台に働く日本人ビジネスパーソンの求めているもの

当日の会場の雰囲気は、それは熱気に満ちたものでした。

受講者のみなさんの「講師の言葉を一言一句聞き漏らさずに、自分のものにしてやろう」という熱いまなざしを、ひしひしと感じながらのセミナーとなったからです。また質問の量も、国内で開くセミナーでは考えられないぐらいの多さでした。

おかげさまで評判も上々で、ある受講者の方からは、「これまで40回以上セミナーを受けてきましたが、西野さんのセミナーがいちばん効果がありました。印象深かったのは、セミナーの冒頭と最後におこなった自己紹介プレゼンの演習です。自分でも最初と最後では、プレゼンの仕方がまったく変わっていることに驚いてしまいました」といううれしい言葉をいただきました。

今回のシンガポールでの経験を通じて、私が実感したのは、世界を舞台に働いている日本人ビジネスパーソンは、こうしたセミナーを切実に求めているということでした。

ですから私はこれからも、シンガポールに限らず、海外のいろいろな国や地域に赴き、日本人ビジネスパーソン向けに、グローバルな舞台で働くうえでヒントになるようなセミナーを積極的に受け持っていきたいと考えています。何より世界で活躍する日本人のみなさんと触れ合うことは、私にとっても刺激になり勉強になりますから。